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2013-03-18

別名義での仕事

去年、13階段の名義で(2点のみですが)版画のための絵を描きました。別名義にした理由はいろいろあって、自分のヘタな文章ではとっちらかってしまってうまく伝えられないのですが、いちおう説明を試みます。

以下長いのに明快な着地点もない文章なので、興味のない方はスルーしていただくのが良いですね。
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自分はCGイラストやキャラクターデザインをする以前、アシスタントやイラスト仕事を請負いながら10年ほど漫画の持ち込みを続けていました。
勤めていた先の関係もあり、そこでは劇画と思われていたようです。

なお自分は元来デザイン志望の学生だったので、漫画やイラストも固定した絵柄という考え方はなくて、都度一番ベストと思えるデザインをするというつもりでいました。

なので、他社のメディアミックス作品に参加したときもまるっきり一から絵柄を作ったようなものでした。
キャラクターのデザインでいえば、例えばシスタープリンセスというタイトルで書いたCGイラスト、デザインはそれまで青年漫画誌で要求されたものに反発して方向を変えてみた試みの一つだったのです。

以来、それまでとはまったく逆の美少女ジャンルのオーダーが比較的多くなりました。
もちろん、自分ではせっかく応援してくれる読者のためにその期待に応えなければ、と頑張ってきたつもりですが、強い要請もあって2007年ごろ、今度はまた少年漫画誌や青年漫画誌で書く事になりました。

そうなると、もともと自分が関わった場所でもある青年漫画誌で、軟派なラブコメ担当のような立場で、女性キャラを男性読者に媚びへつらわせることはしたくない、という気持ちが強く働きました。
女の子目線で女の子を書いてきた、そのことを変えたくないという気持ちもあります。

多数の方にはイラストレーターとして参加した作品から知られたので、実は(特にゲームやアニメから入る方との)共通の作品基盤がない、ということを自分の立場の脆弱さとして感じることになりました。
以来、読者の期待を裏切ってしまうことなく、自分らしい表現ができる方法を探しています。
20130318_2

というわけで2012年はいくつか実験をしました。13階段名義で、従来の読者のことを一回忘れて「青年漫画誌だったらこういうデザインを提案します」というサンプルとしての絵を2点製作したのもその一つです。
この時は、自分の大好きなジャッロやイタリアンホラー的な、毒々しいサイケな世界観とキャラものを融合出来ないかな?と試行錯誤をしていました。
ウルトラジャンプの他の先生と同じように、悪ガキが喜ぶトラッシュ感覚が大好きなのも自分の一面です。でもそれは美少女ゲームから入った読者との無言のお約束からは外れることで、なかなかうまく表現できずにいました。

漫画版マジカルブリッツ後半と共通のラインかもしれませんが、実はあれは別名義で完全に天広と違う世界観でやれたほうが原作をスポイルすることなくできたのでは、と自分自身では思っていて、そこから考えついたのが変名での創作でした。

ただこの絵も販売層が決まっていたので思い切ったことはできませんでした。読者にとってはやはり天広の、キャラの顔が「違うよ!こんなの萌えじゃないよ!」という絵、のような印象にとどまったかもしれません。
(自分が単に読者なら、天広の絵よりクールなこちらのほうを手に取ると思います。)

やってみてひとつ思い直したのは、都度作品に合わせたデザインをするということも限界があって、やっぱり自分の好みの線質と世界観はある程度決まってるなということ。
ですので、読者と共通する作品基盤が全く無い、とまではいえないのです。

雑誌連載のように、数万人を相手に、考えなければいけないパラメーターが多すぎるとどうしたらいいかわからなくなってしまうので、「自分にはこれができない」ということをひとつひとつ確認して、残ったものを考えるほうが正しいのかもしれませんね。
ペン画を描くのはこれで最後、という決心もこの時点でしました。

だから今考えられるひとつの解として、自分と今自分の作品を読んでくれる読者という一番小さい世界から、共通の理解のベースとなることを始めよう、そう考えてNightwingを始めました。ここではキャラクターに対する目線を含め、自分自身といままでの世界観を統合しようとしています。

以上、拙い言葉で変名からNightwingまでの流れを書いてみました。
考えたことの一万分の一も伝えきれてないので誤解なく読んでもらうことは難しいのですが、ただ状況と求められるものは環境によって都度変わるということ、それに合わせて表面的には変えてきた部分もありますが、大部分は変えないようにしてきたんだよ、ことを知っておいて頂ければと思います。

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